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7    ある愛の詩
「イザークあれ欲しい。」
フレイが指差した物は、パンジーの花をあしらった小さな指輪だった。
「あんな安っぽい物買ってどうする?
 他にももっといい物があるだろ?」
イザークはちらりと見るなりそう言った。


「いやなの、あれがいいの!!」
フレイは頑なにそう言い張った。
「大体お前別にパンジー好きな訳じゃないだろ?
 今日に限ってなんであの花がいいんだよ?」
イザークはせっかく今日は喧嘩せずにここまでこれたのにと
その指輪を恨めしく見た。


「イザーク、今日何の日か知ってる?」
「ああ、俺達が出会ってから一年経ったんだろ?」
お前その事今日までに何回口にした?と内心思いながら
イザークは答えた。
「だからよ、だからあれが絶対に欲しいの。」
フレイはきっぱり言い放った。
こうなったフレイには手がつけられない。
イザークは渋々その指輪を包むように定員に言った。


定員とやり取りしているイザークの背中を見ながら、
その時フレイはこんな事を思っていた。
「知ってる、イザーク?
 パンジーの花言葉はねぇ、
 《思い出》
 なんだよ。だから私、今この指輪が欲しいの。」
フレイはイザークの背中を優しく見つめた。










〈あとがき〉
旧拍手SSを移動して参りました。
我が侭フレイちゃんです!!
恥ずいね、これ…(脱走)


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