腕の中にあった柔らかくて温かい温もりがなくなってるのに気づき、
シンは目を覚ました。
「ひっく、ひっく。」
小さな嗚咽が聞こえる。
「どうしたの?ステラ?」
起き上がってその細い肩に手を回しながらシンは優しく聞いた。
「ステラ、死にたくない。」
涙に濡れた顔をシンの方に向けてステラは言った。
「ステラ、ひっく、死にた、ひっく、くないの!!」
シンはステラを優しく抱き寄せながら言った。
「ステラは死なないよ。ステラは俺が守るから。」
シンはステラの頭を優しく優しく撫でた。
しばらくの間、ステラはシンの顔を見つめた。
「シンは?シンは死なない?」
唐突にステラが問いかけた。
「俺は死なないよ。」
怯えを含んだ目で、必死の形相で自分の顔を見つめるステラを安心させようと
シンは微笑みながら言った。
「本当?」
ステラはまだ不安そうに見つめている。
「うん、本当だよ。」
シンがそう言うとステラは安心したように又横になった。
ステラはそろそろ寝たかなとシンが思った時、ステラが目を開きぽつりと言った。
「ステラ、死ぬの怖い…。死ぬのイヤ…。
でも、ステラが死んだ時、シンが哀しむの、もっとイヤ。」
シンは、はっとしてステラを抱きしめる腕に力を込めた。
「ステラも俺も絶対死なない。俺が絶対に守るから。」
ステラはシンの顔を少しの間見つめた後、又、安心したように目を閉じた。
ステラが寝付いたのを確認してシンも眠りについた。
ステラを死なせたりなんかしない。
ステラを哀しませたりなんかしない。
もしこれからどんなことが起ころうと、ステラを好きになったこと、後悔なんて、しない。