1    ある男の手記
 



忘れもしない6月15日、俺は今まで信じていたもの全てを失った。
家、国、そして家族。
当たり前だった平和な日常は一瞬のうちに崩れ去り、俺に残ったものは
ただ何も出来ずに佇むことしかできなかった自分という存在だけだった。


もし、俺が強かったら
俺が家族を守りきれるくらい強かったら
今もきっと俺達は平和に暮らしていただろう。
誰にも、何にも大切なものを奪われることはなかっただろう。


ただ俺が弱かったから、
俺の力が足りなかったから、
全て失った。
全てを奪われた。


だから、俺は強くなろう。
大切なものを守りきることができるように、強く強くなろう。
誰にも、何にも負けない強さを手に入れよう。








〈あとがき〉
今回はイザフレのifの世界の少し後のお話です。
シンステです。
シンステは原作では幸せなENDとは言いがたかったので、幸せにしてあげたいです。




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