1 桜 | |
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また桜が咲く季節が巡ってきた。 環境ががらりと変わってしまう不安感と何かが始まる期待感。 新入生や新入社員は勿論だが他の人もそれぞれそれを感じながらこの季節を迎える。 そして高校三年生になる彼らもそうだった。 「二年前を思い出すわね。」 「ああ。」 「あの時のイザークは本当怖かったわ。」 「お前だってこんな生意気な奴いるのかって思ったぞ。」 「…でも今年でもう卒業なのね…」 「そうだな。」 二年前の同じ日彼らは出会った。 その時も今と同じように桜が満開に咲いていた。 初めてフレイを見掛けた時の桜吹雪の中に光る一際鮮やかな紅の髪をイザークは今も思い出すことができる。 「今年の1年どんな奴が入ってくるかな?」 「あんまり怖がらせないでよ。」 「骨のある奴が入ってきてるといいな。」 「もう、イザークったら!」 桜吹雪の向こうに校門が見える。 "種学園高等学校入学式" もう少しでイザーク達が通う高校の入学式が始まる。 | |
〈あとがき〉 一回やってみたかったんです。 えっと、ばりばりの学園ものです。 できる限り多くのキャラを出していきたいです。 | |
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